江戸が東京に変わり150年の節目の年に
「WOMAN&TOKYO」が発足

東京ブランド推進プロジェクトの一環として、2018年秋に「WOMAN&TOKYO」が新たに立ち上がり、2019年3月8日の国際女性デーに向けて、さまざまな企画が展開されました。2018年は、明治維新から150年が経つ節目の年。「伝統と革新が交差しながら、常に新しいスタイルを生み出すことで、多様な楽しさを約束する街」へと変貌を遂げた東京で、その一翼を担ってきたのは「Unique」で「Excellent」で「Exciting」な東京の女性たちでした。本プロジェクトでは、現代の東京の女性・少女たちとともに、過去・現代の女性たちを取り巻く社会的環境を学び、そして未来の東京の女性の目指すべき姿などを模索する活動を行いました。

「誇れる言葉の獲得」
東京の女性たちのシティプライド醸成を目指す

プロジェクトを企画・主催した朝日新聞社の安藤さんは、発足の動機について「2018年は、Me Too問題など、女性の生きづらさがクローズアップされた年でした。また、個人的にも産後時短勤務で復帰したばかりであったこともあり、女性たちにもっと前向きな気持ちでがんばってほしいという思いから、「&TOKYO」とともにプロジェクトを立ち上げることを提案しました」と語りました。また、プロジェクトの目的については「今を生きる女性たちを励ましエールを送り、未来の東京を担う少女たちに自分を誇る言葉を獲得してもらうこと、つまり東京の女性たちのシティプライドの醸成を目的としています」と説明しました。

大学生・院生を対象としたユースセッション
「東京の女性たちよ、ユニークであれ!」

国際ガールズデーの2018年10月11日に、プロジェクト第一弾として、若者たちが、時代を切り開く生き方を高校生に伝えるための授業案を考えるユースセッション「東京の女性たちよ、ユニークであれ!」が、渋谷で開催されました。参加者は、都内の大学生・大学院生ら約20人。第1部の基調講演には、髙橋裕子・津田塾大学学長が登壇、異なる文化や価値観との出合いが個性や人格形成にもたらす効用などについて説明しました。第2部では、大学生・大学院生が、「一歩踏み出す勇気をもつ大切さ」を高校生に伝えるための授業案を設計するワークショップに取り組みました。

髙橋学長は、「大学生のみなさんには、女性の力で社会を変えることができると信じてほしいし、リードする女性をサポートする度量がある男性をかっこいいと思える世代になってほしい。『枠をはみ出す女性っていいじゃない。応援するよ』っていう男性を育てていかないといけない。誰かが枠をはみ出ることで社会は変わっていく。」と学生たちにエールを送りました。

学生たちによる出前授業
「東京の歴史をつくった女性たちに学ぶ自分らしい生き方」

2019年1月~3月に、都内の高等学校で、その授業案に沿った特別出前授業が行われました。講師は、対話型ウェブメディア・朝日新聞DIALOGの学生メンバーたち。
授業の前半では、明治期に、東京で様々な困難や圧力を乗り越え活躍した偉人の女性たち村岡花子(翻訳家)、津田梅子(教育者)等、について学んでいきました。続いて東京の魅力を発信するロゴ「&TOKYO」の話題に。伝統と革新が織りなす独自のスタイルを創り出す都市・東京都が掲げる五つの価値(UNIQUE、EXCELLENT、EXCITING、DELIGHT、COMFORT)のうち、「UNIQUE」以外の四つの言葉を紹介。あと一つの価値について問いかけると、生徒たちからは「universal」「amazing!」といった様々な形容詞が飛び出し、教室はこの日一番の盛り上がりを見せました。「UNIQUE」な女性たちが活躍できるように、現在東京都では、女性ベンチャー成長促進事業、働き方改革推進事業、ベビーシッター利用支援事業などの取り組みを行っていることも紹介されました。後半では、30歳という具体的なゴールに向けて、各自の持つ「UNIQUE」について考えるグループワークを行いました。

国際女性デーにシンポジウムを開催

3月8日の国際女性デーには、プロジェクトの集大成として、「WOMAN & TOKYO 国際女性デーシンポジウム 社会の空気を変えていく 自分らしく生きる女性たちへ」が開催されました。
時代を切りひらいてきた東京の女性たちの歩みを、「働く」「装う」「恋をする」という3つの切り口で振り返り、自分らしく今を生きる、幅広い世代の女性たちにエールを送るという内容で行われました。
プロジェクトを主催した朝日新聞社の前田さんは、「普段は意識しませんが、実は東京という街は色々な出会いに恵まれているのだと思います。東京の女性たちはそこに住み、働いているだけで、東京を舞台としたドラマの中を生きることができる。そんな東京の魅力を『働く』『装う』『恋する』という3つの切り口に込めました。」と語りました。シンポジウム当日の様子は、下記URLよりご確認いただけます。
https://www.asahi.com/dialog/articles/12219183

新聞広告やInstagramを活用した
キャンペーンも実施

その他、新聞広告やSNSを活用したキャンペーンも実施されました。新聞広告キャンペーンでは、明治・大正・昭和・平成の装いを、女優・安田聖愛さんが身にまとい、各時代の東京の女性になりきることで、東京の150年間のファッションの変化を鮮やかに表現した広告が3月6日付朝刊の東京都内一部配達地域に折り込み配布されました。Instagramを活用したフォトキャンペーン「ユニーク・スマイル フォトキャンペーン」では、次の150年につないでいきたい“女性の笑顔”を募集。Instagram上で、笑顔の自撮り写真を「#womanandtokyo」とともに投稿してもらった写真を一部コラージュし、2019年3月26日の朝刊で全面広告として紹介されました。

東京の女性が活躍し続けるために
継続的にメッセージを発信したい

朝日新聞社の前田さんは、「2018年秋からプロジェクトを開始し、国際女性デーで活動は一区切りとなりましたが、この活動は一過性で終わらせてはいけないと考えています。朝日新聞社は、今までも様々な女性を応援するプロジェクトを推進してまいりましたが、今後も東京の女性たちを応援していくメッセージを継続的に発信していきたいです」と語りました。

朝日新聞の前田さん(左)と安藤さん(右)