去る11月14日(月)、東京都と日本経済新聞社の共催で東京ブランド推進プロジェクトの一環として、「NIKKEI FORUM & TOKYO」を開催しました。
このフォーラムは、それぞれの業界を代表する民間企業や著名人に登壇してもらい、東京の魅力や今後の戦略について語り合うトークセッション。多彩な顔ぶれによる熱い議論を楽しむために、会場には多くの人が詰めかけていました。
田村氏による基調講演では、「観光産業を考えるうえで、観光都市・東京の役割は非常に重要です。日本全国の観光振興のためには、入り口である東京がその魅力をさらにレベルアップし、豊富な交通ネットワークを通じて、いかに地方に観光客を送り出せるかにかかっています」と、東京の役割への期待感を述べていました。
永井一史氏は、「&TOKYO」というコンセプトが生まれた経緯や、東京ブランドの確立に向けたさまざまな取り組みなどを説明したうえで、会場に向けて「つながる対象は無限で、その数が増えるほど多様な価値が生まれます。ぜひ『皆さん&TOKYO』として、一緒に東京ブランドの推進を担っていってほしい」と呼びかけました。
矢ヶ崎氏が「インバウンドを増加させるためには、日本の入り口となる東京が魅力的でなければなりません」と話すと、「東京の奥座敷である日光・鬼怒川の魅力を高めることで、東京の魅力に奥行きを与えることができます」と青柳氏。東京が世界一の都市として飛躍するための戦略やアイディアについて話し合いました。
早野氏は「東京マラソンをベストな大会にするために、IBMと技術面で協業していく予定です。さまざまなソリューションを期待しています」、松永氏は「AIの技術で何ができるか検討し、東京がより安全で健康な街となるお手伝いをしていきます」と話し、AI技術を活用した東京マラソンの新たな取り組みについて語り合いました。
新津氏は「東京ブランド向上のカギは、魅力を消費できる形に変えること。外国人が訪れ、体験できるコンテンツ化が大切です。市民と外国人の接点を増やし、笑顔でおもてなしすることが、東京のブランドを向上させることになると思います」と述べ、台東区蔵前で職人のモノづくりを体験できるイベント「モノマチ」を参考例にあげて評価していました。
「例えば、パリは『花の都』というイメージが浸透していますが、東京は何の都を目指すのか、まずは我々日本人自身が東京をよく知ることが重要です」と問題提起した市川氏。「2030年には東京の人口減少を始めるので、それまでにいかに国際競争力を高めるか。国家戦略特区などでの規制緩和が、国際競争力のある東京実現のカギを握っているのではないでしょうか」と力強く語りました。
服部氏は「無形文化財に登録された”和食”を大切に守り続けなければいけないと思います。東京は、職人が食文化を担う食の都です」、尾上氏は「外国の方は、歌舞伎についてとても熱心です。日本人はもっと日本文化についての知識を深めて、海外の方をお迎えできるようにしたいですね」、シャーロット氏は「日本人の優しさや礼儀正しさは素晴らしいです。魅力的な街づくりには、女性がもっと活躍できる場があるといいですね」と、それぞれの立場から発言。東京が世界一の「おもてなし」の都市になれるようにしていきたいと締めくくりました。