伝統と革新が交差し、常に新しいものを生み出すパワーに溢れた街、東京。そんな東京の魅力をカタチにして発信すべく、「&TOKYO 」では企業や団体と共同でグッズを企画しています。
今回タッグを組んだのは、原宿にアンテナショップを構える京都の風呂敷専門メーカー「山田繊維株式会社」です。有名ファッションデザイナーとのコラボレーションや、包み方教室の開催など、伝統的な風呂敷を新しいスタイルで提案しています。今回は共同企画「FUROSHIKI&TOKYO」をレポートします。

東京は伝統を磨いてくれる街。
伝統的な風呂敷を、
東京から発信するということ。

流行の発信地・原宿にアンテナショップ「むす美」を構える、昭和12年創業の京都の風呂敷専門メーカー「山田繊維株式会社」。12年前、同社として初のアンテナショップを、京都ではなく東京にオープンした背景には、「東京ならではの魅力」があるからと、山田芳生代表取締役は話します。

「我々は“風呂敷”という伝統的な商品を製造していますが、伝統だけ守っていては生き残れません。風呂敷を使いこなしている方はそれほど多くない時代。現代の生活に風呂敷がちゃんと寄り添う提案ができたなら、ムーブメントが起きやすい東京という地を中心に、使える商品として広がるのではないかと思いました。東京には伝統を磨いてくれるパワーがあるのです」。

「&TOKYO」のコンセプト、
「伝統と革新」を、
東京の象徴をモチーフにした風呂敷で発信!

「TOKYOのにほん」という名前の商品は、日本酒やワインなどの瓶を2本包めば、東京を象徴する2つのタワーが現れます。こちらのデザインは、京都造形大学の准教授でグラフィックデザイナーとして活躍する、丸井栄二氏が手がけたもの。伝統的な風呂敷の構図「片身替わり」(元々は、着物などで半身ずつを別の模様で構成したのが始まり。風呂敷では、対角で色を分ける柄などを指す)を意識したデザインが目を引きます。

「モチーフにした赤と水色のマス目の大きさが、きれいに縫製と合うか、包んだ時に、柄がどう見えるか、という点に非常に神経を遣いました」という山田代表。風呂敷で包んだ際にアクセントとして見えるよう、「FUROSHIKI&TOKYO」のロゴは、「主柄」(包んだ時にメインで見える部分)にあしらい、さりげなく「TOKYO」をアピールしています。

東京を代表するお土産は、
洗練されたデザインがあってこそ。

これまで、ご当地ものの風呂敷というのはあまり積極的に取り組んでこなかったという、山田代表。「なぜなら、単なるご当地名物をあしらうだけではなく、そこには、今を感じさせるアイデアが欠かせないからです。東京をブランド化し発信する“&TOKYO”もそうですが、今回、取り組んでみて、洗練されたデザインが発想できれば、その地域の顔となるお土産品が生まれるという可能性を改めて感じました」と、手ごたえを感じたようです。

その言葉通り、今回の「FUROSHIKI&TOKYO」は、モダンなアレンジにより、見た目も楽しく、実際に使っても面白さを感じさせるデザインに。まさに、伝統と革新が同居する「東京らしさ」を風呂敷に落とし込んだ、見事な一品となりました。